第31回(2024年度)奈良県夜間中学研究集会
2025年3月2日(日曜日)に天理市民会館で奈良県夜間中学研究集会が開催され、せいわ夜中からスタッフ3名の他、生徒さん1名が参加しました。
■奈良県下40市町村に在籍している夜間中学生は183名で、これらの生徒さんは春日(36)、天理(34)、畝傍(42)、西和(30)、吉野(30)、宇陀(11)の6夜間中学で学んでいます(2025年1月10日現在)。
■183名の出身は17ヵ国以上(韓国、台湾、中国、フィリピン、タイ、インドネシア、ブラジル、ペルー、ボリビア、パキスタン、イラン、ネパール、ベトナム、ミャンマー、日本、オーストラリア、その他)。日本人(中国残留者と日本国籍取得者を含む)の44人が最多で、次いで中国人43人、ネパール人24人と続きます。
■年齢別には:10歳以下(8)、11 ~20(36)、21~30(17)、31~40(33)、41~50(31)、51~60(20)、61~70(23)、71~80(11)、81~90(3)、91~(1)。
参考情報
2020年の国勢調査によると、日本全国で義務教育を修了していない人の数は約90万人近くに上ることが明らかになりました。この内訳は以下の通りです:
最終卒業学校が小学校の人:80万4293人
小学校にも中学校にも在学したことがないなどの未就学者:9万4455人
この他に中学校に在籍しているが不登校の生徒さん、中学校は形式的に卒業したがもう一度やり直したいという人々(例えば養護学校)を入れると基礎教育の充実の道のりははるか遠くです。
研究集会の午前(全体会)は、夜間中学生3名がそれぞれ発表しました。
・「私が勉強する理由」ラミチャネ・パルクリティさん(春日中学)
・「私にハグしてくれた「てんりのやかんちゅうがく」今西かずよさん
・「My Families’ Love」北森フランシアさん
また、映画「新渡戸の夢~学ぶことは生きる証」を鑑賞しました。新渡戸稲造の教育分野における夢はすべての人々に教育の機会を提供すること:新渡戸は32歳の時に札幌に「遠友夜学校」を設立し、貧しい家庭の子供たちや働く若者たちに学びの場を提供しました。この精神は現在も札幌遠友塾自主夜間中学として受け継がれています。
Youtube URL: 平成25年度受賞者:札幌遠友塾 自主夜間中学
今年は午後の分科会で夜間中学の生徒さんの交流会が行われました。数十人が一人ずつ自己紹介をする中で、せいわ夜中から参加した森川君は自分の希望としてもう一つ郡山あたりに夜間中学があったらいいな、という希望を述べました。知らない生徒さんばかりが集ったなかで、自分の希望を述べるためにこの研究集会に参加した森川君は一つ成長したかもしれません。