夏休み宿題お助け隊

奈良教育大学院生の有志の皆さん

 

せいわ夜間中学が夏休みの8月8~10日の3日間、生徒さんの学校から出た宿題を「お助け」しようと、院生の方々数名ずつが特別に駆けつけてくれました。参加した夜中の小さな生徒さんは数名でしたが、充実した「お助け」となりました。

習字を習ったり、工作の宿題を一緒に手伝ってもらったり、普段とは違う夜中の経験が楽しかったようです。有志の皆さま、ありがとうございました。

これからの25年に向けて

せいわ夜間中学第26回総会から

2023年6月1日王寺町地域交流センターにて、3年ぶりに対面総会を開くことができました

この1年のあゆみと活動

コロナのため週1日火曜日のみの時短開講でしたが、1年間勉強を続けることができました。

2022年4月:新年度開講、1学期の始まり(5日)。

6月:奈良県夜間中学連絡協議会総会に出席(4日)。西和に夜間中学を作る会第25回総会を開催(9日)。奈良教育大学大学院生18名が夜中を見学(7,14,21日)。

7月:1学期終了(19日)全体集会(懇親会)を開催。夏休みに入る。

8月:「せいわ自主夜間中学」ホームページが完成、公開(1日)。西和自主夜間中学ニュースNo.6発行(18日)。

9月:2学期開講(6日)。奈良県地域日本語教育体制整備事業の一環として日本語講師1名の派遣を頂く。

11月:ならサンウリムに参加、出店(13日)。JP労組主催の集まりに参加、夜間中学について紹介(19日)

12月:宇都宮大学の自主夜間中学研修会にパネラーとして参加(3日)。2学期終了(20日)全体集会(懇親会)を開催。

2023年1月:3学期開講(10日)。

2月:西和自主夜間中学ニュースNo.7発行(7日)。中学3年生の生徒4名が高校受験、合格!。奈良県夜間中学連絡協議会研究集会(書面開催)。

3月:3学期終了(14日)全体集会とお別れ&歓迎会。近畿夜間中学校生徒会連合会主催「すべての人に教育を」シンポジウムin大阪に参加

次の25年に向けての思いと抱負

ご挨拶;代表吉岡 泰次郎

次世代につなげる課題

26回目の総会という事は、私たちの西和自主夜間中学が、 今まで25年続けてきた活動を次の25年間もしっかりと続けて行くことを考える機会となりました。後継者の育成は最も重要な課題です。培ってきた教育や運営のノウハウと人 脈の継承、支援者のご理解、生徒さん達の日常生活や仕事での不安 に応えていく仕組み作り、増加の傾向にある不登校の人達や海外から新たに働きに来られる方々、そして形式的に卒業させられた人たちへの呼びかけ等です。

生徒さんのための環境作り

 今までずっと、熱心に学ぶ生徒の 皆さんと生徒が大好きなスタッフの皆さんが、いなければ、この夜間中学は、 続きませんでした。 西和自主夜間中学は、さまざまな事情で学齢期に義務教育を受けることが出来なかったみなさんが、学びを取り戻す場として開校し、運営されてきました。近年は日本定住を目指し海外から働きに来た方々、 日本での生活を目指す方々、勉強の機会がなかった方々が、生きていくために必要な言葉や様々な知識を、自由に受けることのできる環境を用意します。

コロナ以前への回帰を目指して

3年間にわたる新型コロナウイルス流行のため、生徒は一時期 16 名ととても少なくなりましたが、最近は 25 名と増加しました。そして先日は 5 名のフィリピンからの方々の入学もあり、更に今月末にはベトナムからのお母さんとお子さんの入学希望もあり、生徒の数は着実に口コミで増えています。 今年は適当な時期に、週2日火曜日と木曜日の6~9時までの開講に戻したいと思います。

自主というスタイルの良さ

今年の春は、4 名の生徒さんの皆さんが、日本語や日本語学習のハンディキャップを克服して、全員、希望される高校に合格して入学されました。  西和自主夜間中学の指導の特徴は、マンツーマンです。最近では、 一人の生徒さんに複数の先生が、入れ替わり、マンツーマンで複数 の科目を指導されるケースも出てきました。公立の夜間中学にはない自主夜中の良さでもあります 。

居場所としての夜中へ

スタッフの先生や事務局は、生徒さんの皆さんとの交流を通して、なんでも話せる場を作るように努めてきました。スタッフと生徒さんの出会いは、お互いのかけがえのない「つながり」 に成長していきます。このつながりが、私たちの喜びであり、生き がいと思います。そして、このことが生徒さんたちの不安や悩みに 応えるためにとても大切なことだと思います。幸いにも私達の西和自主夜間中学は、外国人労働者保証人バンクと姉妹関係にあります。最近では、乳幼児や昼間の保育所や小学校、中学校に通う学齢期のお子さん達も、お父さんやお母さんと一緒に来てくれて、 お友達と一緒に楽しく勉強や遊戯などをしています。皆、私たちの 孫のようです。

スタッフの生きがい

私たちは、出席される、おひとりおひとりの個性や事情を大切にして、自信や夢や喜びが育まれる機会になることを目 指しています。 昨年は専門的な日本語教育の研鑽を積まれた若いボランティアの 先生方も見学や指導に加わって下さったりして、新しい息吹を感じ ます。私たちの活動内容も、西和自主夜間中学ニュースで多くの方々 に紹介できるようになり、インターネットのホームページも公開され、活動が分かりやすいと好評を得ています。 私たちは夜間中学の輪が、もっともっと、広がる事を希望しています。

次世代へのバトンタッチ

さらに は、若いスタッフの募集とバトンタッチも必要です。 夜間中学を必要とされる方は多いし、増加していく傾向にありま す。しかし、大阪府では夜間中学の数を減らそうとする動きがあり ます。夜間中学のないところも多いです。問題だらけの技能実習生 制度もなかなか改善されません。私たちは出席してくださる生徒さんの皆さんを、教え導く存在として ではなく、現在の社会の中で共に生き、お互いに楽しさも悲しさも 辛さも悔しさも持つ、対等の人間として、コミュニケーションをすることが基本と考えています。

生徒さんの自己実現と夜中

弱い立場の人々は社会の中でより困難な状況にたやすく陥ります。私たちが出来ることは限られており、生徒さんたちの生活 が出来ているか、勤め先から解雇されていないか、心配の種は尽きません。 弱い立場の人々の教育が大切にされなければ、弱い立場の人々が 自己実現できなければ、明日の社会に希望は持てなくなるでしょう。 これからも、この西和自主夜間中学が、皆様方のご参加と熱意を戴きながら、楽しく学び続けることのできる場でありたいと祈念して、挨拶といたします。

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この一年、私たちはこんな取り組みをします(活動方針)

■西和自主夜間中学の継続と将来への存続を最優先課題とします。若い世代へのバトンタッチを考えた事務局体制とします。

■コロナ以前への回帰を目指し、2学期から週2日(火曜日、木曜日)の開講を目指します(但し18~20時の時短運営)。

■学びを必要とする方々に呼びかけを行います(ちらしの作製と配布)。

■生徒さん、スタッフ間の連絡、相談を一層緊密にし、困りごとの相談に対応します。

■せいわニュース(紙媒体)、ホームページを活用して夜間中学の活動を広めます。

■来る30周年を見据えて夜中の「文集」発行を準備します。

■奈良教職員組合北葛支部とのコラボを企画します。

■奈良県を始め全国の夜間中学の生徒さんや関係団体との連携を促進します。

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新年度(2023年度)の事務局体制は「夜中メンバーの紹介(スタッフと会員&支援者)」のセクションに掲載しました リンク先→スタッフと会員&支援者

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生徒さんの発表は「私たちの想いと願い」に掲載しました

リンク先→私たちの願いと想い

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第26回総会に寄せられた

私たちへの応援メッセージ

吉野自主夜間中学 梅本善昭さん

車の両輪として

 はじめまして。奈良県の大半は山ですが、その黒滝村から橿原の公立の夜間中学に通う中国の残留孤児の方がおられたことがきっかけで吉野夜間中学ができました。設立に当たっては、教育委員会も役場の人も夜間中学というのを知らなかった時代です。最初は残留孤児の方が多かったですが、そのうちベトナムの人、アフガンから戦乱のために逃げだして、日本にたどり着いた人などが勉強にきました。子どもたちは学校で日本語を習い、しゃべりますが、親たちは家庭内で子供と母国語で話せても、子供が日本社会から持ち帰る情報が分かりません。吉野自主夜中とせいわ自主夜中は車の両輪みたいな気持ちでおります。一緒に奈良県の夜間中学を盛り上げていきたいと思います。どうも有難うございました。

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奈良県人権地域教育課 課長辻智子さん

コロナが教えた繋がりの大切さ

 この度の総会の開催おめでとうございます。 心温まる確かな学びの場を展開しておられることに大変感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。今年度もこのように、 このように総会ができること、本当に嬉しく思います。(コロナが)少し落ち着いたとは言いましても、この3年間、3密回避そして移動や渡航の制限など、つながりを持ちにくい、また窮屈な生活を送らざるを得ない期間でございました。 今まで当たり前であったことが実は当たり前ではなかったんだということに気づくことができた期間でもあったのではないでしょうか。

 このような時代だからこそ、人と人との触れ合い、繋がりを大切にしているこの自主夜間中学の取り組みが今後も一層大事になっていくと思われます。 1人1人の生活背景を理解し、心身ともに寄り添いながら行われる指導、 学習の枠を超えた心の通った交流と、ここに集う皆さんにとって心安らぐ、穏やかな、そして充実した学びの時間となっていることだと思います。教育委員会におきましても、1人1人の学ぶ力、 生きる力を育む本人のための教育を大切にしております。議会と目指す方向を共にしながら、 豊かな学びのための学習機会の保障に努めてまいりたいと考えております。夜中のますますのご発展と皆様のご健康をご祈念申し上げます。

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王寺町町会議員(議長) 沖優子さん

議員として応援したい

第26回の総会にお招きをいただきまして、本当にありがとうございます。 継続することは本当に難しいと思いますが、このように総会を開かれていくということが素晴らしいことだと感じております。この夜間中学の活動というのが、 私も実は、恥ずかしながら、存じ上げなかったのですけれども、3年前に吉岡代表とひょんなところでお会いしまして、こういう活動してるんです、ということで、夜間中学のあの新聞をいただきました。このような活動を続けておられるというのが素晴らしいと思って、 すぐにあの王寺町役場の方にぜひ、見てくださいということで、持っていったんですね。 そしたら次長、役場の総務課の部長さんもご存知でした。どういった支援をされてるんですか、とお聞きしますと、予算的には、難しいですけれどもこの場所(リーベル5階の地域交流センターの会議室)を無料で提供するということで、ご協力しているということでした。

先ほど代表の方から、若いスタッフの増加、これが望まれるということをおっしゃってました。これはもう、夜間中学に限らず、どんな団体でもやはり同じことだと思うんですね。 趣旨をやっぱり理解をしていただいて、若い人が1人でも多く入っていただけたら、本当にこんな幸せなことはないかなと感じております。 私も、色々と教えていただきまして、お力になれることがあれば、議会にも通していきながら、役場、行政の方にも声を届けていけたらなと思っておりますので、 今後とも頑張って続けていただきますようお願いいたします。夜間中学を作る会のますますご発と、皆さんのご健勝を祈念いたしまして、ご挨拶とさせていただきます。今日はお招きいただきましてありがとうございました。

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日本郵政グループ労働組合の近畿地方本部

井岡由美さん他2名

自己実現の場に共感します

 皆さん、こんばんは。私たち3人でやってまいりました。私たち日本郵政グループの労働組合は、皆様の地域で生かされている職場で働いております。労働組合なので、やはり地域と一緒にやっていくっていうことを大事に思っております。 吉岡代表がおっしゃられた、弱い立場の人が自己実現をできる場所っていうところを共感しております。私たちもそういうところを大切にしていきたいと思っております。

 去年、クリスマス会にもお呼びいただきまして、すごく 楽しい思いをさせていただきました。皆さんが生き生きと学んでいらっしゃることとか、みんなが仲良く学んでおられる、仲良くしておられるっていう姿、 本当にいいなって思いました。これこそ、私たちが目指している労働組合の人と人を繋げるっていうところに、原点と思って持って帰ったところでございます。 この繋がりがずっと続くように、また繋いでいきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。本当におめでとうございます。ありがとうございます。

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とちぎに夜間中学をつくり育てる会 代表 田巻 松雄さん

(メッセージは総会で配布、代読)

 

生徒とスタッフの関係性こそ自主夜中のよさ

 「西和に夜間中学をつくる会」第26回総会の開催、誠におめでとうございます。長年に渡り西和自主夜間中学を支えてこられたことに心ょり敬意を表します。昨年の総会に参加させていただきましたが、その時のことは鮮明に覚えています。学ぶ人も応援する人も、一緒に活動してきたすべての人を尊重し合い大事にしてきた団体だということを強<感じました。そして、「ただいま勉強中」はとても素敵なメッセージを発しています。

 「とちぎに夜間中学をつくり育てる会」は「とちぎ自主夜間中学宇都宮校」を支える活動に加えて、昨年12月より、宇都宮大学国際学部附属多文化公共圏センター「多様な学び研究会」等との共催で「自主夜間中学について考える研修会」を始めました。自主夜間中学関係者による実践報告と問題提起を軸に自主夜間中学の意義と課題について学び合うことおよび自主夜間中学での学習の応援の内容や方法について学び合うことを目的にしています。記念すべき1回目は札幌遠友塾の工藤慶一さん、ちば夜間中学をつくる会の竹内悦子さん、そして貴会の山本直子さんにご報告いただきました。学習の応援の仕方に関する意見交換の中での山本さんの以下のご発言が特に印象的でした。

 「私はマンツーマンに、こだわりたいと実は思っています。これまで25年間、いろんなケースを見てきましたか、私の先生、私の生徒さんという関係で非常にうまくいくケースが多かったので、そこは大切にしたいというふうに思っています。ただ、関係性として1対1で終始するのではなく、1人の生徒さんとたくさんのスタッフ、1人のスタッフとた<さんの生徒さん、というのが繋がれるように、日々の学びの中でも工夫はしているところです」。「私の先生」、「私の生徒」という関係を大切にしながら、集うみんなが繋がれるように工夫していく、まさに自主夜間中学のあるべき姿が示されているように思います。

 研修会は来年2月までに計12回を予定しており、すべての内容を多文化公共圏センターHPで公開していきます。1回目は6月中旬までに公開予定です。是非、ご覧ください。「とちぎに夜間中学をつくり育てる会」は、「多様な学び研究会」との共催で「多様な学び教室」(毎週水曜日開講)を試験的に始めました。また、ネパール語の学習用語辞典の刊行を目指しています。私は、自主夜間中学の実践とは、「組織らしくない組織による学校らしくない学校づくりではないかと考えるようになりました。本質的に難問だと思いますが、実にワクワクするような試みでもあります。今後も皆様や全国の自主夜間中学関係者に学びながら、様々な可能性を追求していきたいと考えていますので、どうかよろしくお願いいたします。「西和に夜間中学をつくる会」のますますのご発展を心より願っています!

2023年度活動予定

2023年

    4月:事務局会議(4日)。1学期開講(11日)

    5月:奈良県夜間中学連絡協議会総会(20日)

    6月:西和に夜間中学をつくる会 総会(1日)

    7月:せいわ自主夜間中学ニュースNo.8発行

    9月:事務局会議(5日)。2学期開講(12日 火曜日&木曜日の週二日開講の予定)

    11月:サンウリムに参加

    12月:2学期終了、全体集会、冬休み(19日)

2024年

    1月:3学期開講(9日)。せいわ自主夜間中学ニュースNo.9発行

    2月:奈良県夜間中学連絡協議会研究集会

    3月:3学期終了、全体集会、春休み(12日)

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丹後半島の春を紹介します

2023年

この最初の海の写真2枚(左の上下2枚)は、丹後半島の犬ヶ岬手前の屏風岩の付近の海岸線の写真です。エメラルドグリーンの海に真っ白い波のコントラストが美しいです。


桜(右上)は、竹野川の岸の桜です。


最後の写真(右下)は、このしろから観た丹後松島の写真です。奥の岬は、経ヶ岬です。

代表 吉岡泰次郎

二学期最後の授業はアトラクションつき

2022年12月20日(火曜日):リーベル5階 王寺町地域交流センターにて

二学期の最後の授業は、恒例のパーティで締めくくりました。最初の1時間は今年の最後の学習、続く1時間を生徒さん、スタッフ全員での楽しいアトラクションを楽しみました。今年のメインテーマは「音楽と遊ぶ」です。芸達者なスタッフのギター伴奏、ウクレレ伴奏で全員が歌を歌い、中国の民族楽器に聴き入りました。

この日は河合町教育委員会、日本郵政グループ労働組合から見学に来られて、せいわ夜中の授業活動風景を見学し、アトラクションにも参加いただきました。お忙しいなか、私たちの活動に関心をもっていただき有難うございます。日本郵政グループからは昨年に引き続き、日本の手紙文化も伝えたいと年賀状がプレゼントされました。ありがとうございました。世界中で年賀状が売れるといいですね。

アトラクションの最後には、夜中から生徒さんにささやかなプレゼントを渡し、散会しました。生徒さん、スタッフの方々、ご支援いただいた多くの方々と行政、諸団体の皆さま、よい年をお迎えください。新学期に元気でお会いしましょう。

生徒さんたちはそれぞれ故郷が違うのです

アトラクションスタート。幸せなら手を叩こう、肩たたこう。せいわ自主夜中の校歌です。アトラクションの最後にも歌いました。

ひょうたんから作った中国雲南省の民族楽器。素朴なメロディ。明るくも、もの悲しさも漂います。

跳ねて飛んで、各グループは最後に一つに繋がります。若者向けです。

第25回せいわ自主夜間中学の総会

(西和に夜間中学をつくる会)

2022年2学期が始まりました(9月6日)

久しぶりに賑わったクラスでした。関東に働き場所を移すベトナムの技能実習生も挨拶に来てくれました。仕事に慣れ、生活が落ち着いたら手紙をくれると約束してくれました。夜中の仲間が一人巣立っていきます。